CampⅦ

1920s Mt.Everest Expedition

Birthday🌹0618

 

 引越しカツカツすぎて危ぶんだけどなんとか間に合っていました。藤!

 記事は流石に間に合わなかったけれど記念に描けてよかった…。

 

 4月の絵と対にしたいというのは前々から決まっていたのですが、なかなか花が決まらなかったりラフが微妙すぎたりで悩んでしまった。

 サンディは4月だしヒマラヤザクラというものがあるからこれにしよう(と描いたら初冬の花だった)という流れだったけれど、今回は6月にイギリスで咲く花から絞っていきました。

 最終的に藤とキングサリでの択になり、紫は瞳の色とも合うからということで選択。そして何よりロンドンなどのお家で時々藤の蔦を這わせて咲かせているお家の写真が印象的だったので、個人的にはヨーロッパのイメージもある花でした。とはいえ向こうでは藤から日本を連想するものともいうし、この点桜との共通項で良かったかもしれない。

 藤棚も好きですが向こうへ行ったら壁が紫色にちりちり揺れている家も見られたらいいなあ。

 

 春のサンディはアーカイブで見た服が描きたかったのもあったけど、マロリーについてはまだアーカイブ系を訪問できていなくて印刷物とネットで見つかるものしか見ておらず。渡英中に非電子化史料もお目にかかりたいものです。

 最近だとすっかり見落としていたMystery on Everestはマロリーの小さい頃に姉妹と写っている写真(The Wildest Dreamに掲載の母と姉妹と写っているものとは別の写真)があったり、ネットで画質の悪い画像しか見たことなくて探していたボート部での写真が載っていたりして良い資料でした。サルケルド氏の著作なのにどうしてずっと見落としていたのか…。

 アーヴィン家もそうだったけど、小さい頃はみんなドレス着せられていてとても可愛い。The Wildest Dreamに掲載の母と姉妹と一緒の写真は恐らく5歳頃、セーラー服を着ていて、よく見るとお母さんにしっかり服の裾や手を押さえつけられて脱走しないように抑えられているのが面白いのですが、Mystery on Everest掲載の写真はもう少し幼い頃だったようです。姉妹が白いドレスを着て椅子に座っている間で、暗い色のドレスを着たジョージが籠を持って立っている写真。成長するにつれて髪や瞳の色が暗くなるという話はよく聞くけど、この写真のジョージはかなり髪色が明るく見える…光の加減だろうか。

 子供時代の写真も可愛いし、学生時代以降の写真も様になるものばかりですごい人だ。初見だった写真の中に姉メアリと一緒に写っているものがあり、草の上に半ば横たわりながらベリーか何かを見ている姿がまた良い。カメラの方を見ているメアリも恐らく同じものを持っていて、彼女の前にバスケットらしいものが置いてあるので、兄妹ないし家族でピクニックだったのかな? 写真を撮ったのも家族かも。しかし手に取ったベリーを見ているだけなのにこんなにエモーショナルな図になるって、雰囲気のある人っているものなんだなあ…。

 あとは他の資料でも見かけるけれど、折りたたみ椅子に掛けて書き物をしている写真も大きな画像を見られてよかった。ずっと大判本を読んでいるものと思っていたけど、ペンを持っているので多分ノートですね。この写真を見るたびに、コティ・サンダースが混み合うカフェでひとり小説を読んでいるマロリーの姿について語っていた言葉を思い出す。"一種の無意識状態で……茶色の髪が一房、絶えず額にかかってくるのをたまにかき上げるくらいだった。絵のような、無頓着な格好で、灰色のフランネルの服に派手な色のスカーフを首に巻いていた。"

 服飾含め文化について知らないことが多すぎて追いつかないけど、ただ見ているだけでも楽しいし、あとから知識が増えて思い至ることが出てくれば閃く瞬間も面白いものです。

 

 

 本当にカツカツで殆ど残っていないけど絵の経過

 

 

 今回ラフはうっかり結合して上書きしまったので本当にこれしか残ってない! 構図はほぼ変わらなかったけど表情がなかなか定まらなくて何度も線引いていた。あとティーセットを持たせるか本を持たせるかで悩んで本に…花園でお茶会みたいな空気でもよかったかもしれないね。

 何より見ての通り藤の描き方、というか花の描き方が分からなさすぎて冷や汗しか出なかった。

 友人のアドバイスのおかげで仕上がりのようになったけど自力だとこの様よ。紫蓑虫の化物で終わらせず済んで本当に良かったです、ありがとうございました…。

 あと作業しているPCとスマホとで色の見え方が全然違っていて困り果てていた。自分のスマホだと青が非常に強く鮮やかに出るので、青や紫を使うとどうしてもかなり色味が変わるのですが、使い方を覚えてきた青と違って紫はすごく苦手な色なので、画面を見比べながら途方に暮れるばかりでした。仕上がりも満足に出力されているかというと微妙なところだけど今後の勉強ということで。

 

 これまた友人のおかげでイギリスでもデジ絵を触れる環境にいられそうなので、忙しくていっぱいいっぱいとかでなければ何か描けたらいいね。