CampⅦ

1920s Mt.Everest Expedition

8th/Apr 2021

 マロリーとサンディのことに触れ始めてから3度目の4月8日を迎えた。

 実際に擦れ違ったこともない人の誕生日を意識するということについて、少なくとも自分の中では後ろめたさに近い感覚がずっとある。実在人物、それも時代の結構近い人のことに触れるなら丁寧にすることが大前提となるし、とりわけサブカル的な部分についてはかなり慎重になるべき部分と思っているけど、この誕生日への意識がすごくそれっぽいと思っていて…。

 受動的なものとしては、この誕生日という節目から話題に触れる人が増えるので他人の言葉を見る機会が増える機会。これはいい。問題は能動的な行動の方で、絵を描いたり、サンディについては自分の誕生日が近いのも合わせてちょっとケーキなんか買ってみたり、まあ典型的なサブカルオタクの行動。お祝いめいた行動ではあるけどそう言うのも何だか変な感じで、そわそわした結果の行動に何しているんだろうな~という気持ちは毎度あった。

 過去2年はそれでも良かったのだけど、今年はちょっとスタンスや取り組み、直視するのがこっぱずかしくなるような青臭い本懐について、もう少し真面目に考えて向き合いたい…と思っているところへ4月8日が重なったため、正直何もできないかと思っていた。最終的に再翻訳中の日記から膨らんだイメージを描きだしてみたくなって重い筆を動かしたけど、脱皮の最中にせっついたような感覚がある…! 基本的にひとりで壁を打ち続けているし、どんな形であれ関係作品に飢えているので自虐することもないけど、今回は本当に難しかったし、後々見返してもぎこちなさや不満足感を想起すると思う。自分の中にあるものを、もう少しでも上手くアウトプット出来るようになりたいものだ。

 と、自分のことばかり書いてしまった。閑話休題

 今改めて考え、納得のいく落としどころをつけるなら、この日については「節目」とか「振り返るきっかけ」というようなものが近いかと思っている。とか言ったところでここ2年はずっとこの人たちのことを考えていて、誕生日という節目を用意しなくても365日夢見て追いかけているような状態ではあるし、何の節目かなとは思うけど…1年前どういう解像度や捉え方で考えていたかとか…?

 何だかんだ1年経つと見聞きしたものは増えているし、これからはあの日から100年の節目となる2024年に向けて動きも出てくると思うので、1年単位の節目は良い機会かもしれないね。マロリーとサンディの記念像を作ろうという計画もあるし、何より Fearless on Everest と The Irvine Diaries の邦訳に期待。

 そんなわけで節目として何かテーマを決めてまとめようかとも思ったけど、忙しなくてきちんと綴る時間が確保できなかったので、365日いつでものつもりでやっていこう。節目に特別意識することはあっても、それは積み重ねの結果なわけだから。いま問合わせの返事待ちになっているものが返ってきたらぐっと深まる、もしくは広がりそうなので、早ければ数週間後には色々変化があるかもしれないね。

 

 折角なので3年分の4月8日に合わせて描いた絵のまとめだけ。

 

2019

f:id:CampVII:20210406212514p:plain

 テント前の集合写真で履いている靴下が可愛くて描きたかったので、誕生日に合わせて全身を描こうと意気込み描いたもの。この絵は今も随分気に入っている。サンディはアックスに三本線を刻んで目印としており、1933年にファーストステップ基部で見つかったアックスがマロリーではなくサンディのものだと判明したのもこの刻みのおかげだった。

 

2020

f:id:CampVII:20210406212548p:plain

 史実の話をする時とCoC軸のNPCとでアバターを分けなかったせいでちょっとややこしいことになったりする。描いた絵のフォルダーはサムネが服の茶・空の青・白~灰(無背景)という具合に偏っているけど、これは鮮やかなピンクが似合ったので嬉しかったな。現代装備のNPCが持っているアックスはグリベル・ネパールSAのパロディ。グリベルはエヴェレストの公式初登頂を果たした1953年隊がアイゼンで採用したブランド。時代の変遷によるアックスの長さの差とか、それでも3本刻みを入れているとか、その辺りの遊びが楽しかった。

 

2021 f:id:CampVII:20210407124625p:plain

 先述の経緯で日記の記述をベースに。今日は荒れそうだと書いていたのだから天気は良くなかったろうな…と前日夜宿直室で気づいたのだった。最初はワインにしていたけど、日記に出てくる隊側が用意していた(=地元で供されたものではない)お酒はラム酒とかシャンパンだったので、今回はシャンパンのイメージで。日記の翻訳記事でも書いた通り、あまり元気な日ではなかったと思うけど、夕食中くらいは憂鬱なこと忘れて嬉しい気持ちで過ごしていたらいいな~と思ったり。迷うけどそれでも――Happy Birthday, Sandy!