CampⅦ

1920s Mt.Everest Expedition

英国旅行2021①

 暫くバタバタしていたけど書き残しておきたいことは沢山ある一ヶ月でした。

 慌ただしかったのと、宙に浮いたままの計画をあまり口外しすぎると頓挫しそうな気がする…という根拠なきジンクスのような気持ちとで…。

 

 暫く前の記事でも触れた気がするけど、今ロンドンのアルパインクラブの施設で英国のエヴェレスト遠征100周年を記念した展覧が開かれている。

 どうしてもこれに行きたい気持ちを引きずり続けていて、結局行くことにしました。しましたというかなんというか…。

 イギリスは五月にある程度の国からの観光目的の訪問を許可する方針に変わっていて、日本も隔離と複数回のPCR検査をクリアすれば渡英できる状況になっていました。ただ実際行けるかというと、情勢や仕事のこともあって難しいものという理解。

 踏ん切りがついたのは、七月にイギリスで働きながら2年間暮らせるYMSビザの抽選に落ちたから。貯蓄計画、渡英してからのイメージ、そこそこ調べた上で少なくとも半年間の猶予が出来ることが決まり、抽選結果が出る前から「この抽選に落ちたらアルパインクラブの展覧を見に行くために動こう」と考えていた。

 で、倍率通りとばかりに落選通知が来て。その日の午後から上司たちにイギリスへ行きたい旨の相談や許可の取り付け、帰国後の隔離期間中から在宅ワークにすることで有給範囲内で収まるように…など色々調整。

 PCR検査の日程や目的地の営業日とのすり合わせ、アポ問合せなどもして、今晩から旅立たんとほぼ無人関空国際線フロアで夜まで時間を持て余している次第。

 海外に行くのは10年前先生の引率でイギリスへ語学研修に行った時以来で、海外旅行自体これで3回目、一人で行くのは初めて、飛行機も殆ど乗ったこと無いような有様なのでなんか…やらかしそうで(やらかしてそうで)不安だけど…でもこれで無事に終われば自信がつくねという感もあり…。

 正直現段階でもこんな記事を書いたらチェックインカウンターあたりで酷いやらかしが判明しそうで怖いのですが! 既にスマホの充電コードを一度出した後しまい忘れていたことが判明してこれから買いに行くところだよ。大丈夫かな。

 

 自分がこの旅行の準備のためにどれだけのことをしたかという話は自分がやりたいことのための準備なので全然苦ではなかったし、苦しかったのは感染者数がうなぎ上りになっている日本がイギリスの定期検疫改定で旅行目的の渡航が禁止されるカテゴリに移されてしまうことや、フライト前のPCR検査で陽性反応が出てしまう懸念だったのだけど、じっと過ごしている人たちのことを思うと申し訳なさはある、というのは書き添えておく。それでもなお、と動くことにした背景をいくら述べ立てたところで言い訳がましいだろうし。

 行くからには感染せず帰ってくるべきだと思っているので対策は徹底的にするけど、それも当たり前のことだしな…。

 

 とはいえ後ろめたさの反芻はもうひとりで散々しているし、他人が見る可能性のある場所でやると本当に言い訳にしか見えないのでひとまずこのくらいにしておいて。

 

 今回の旅は帰国後の隔離まで含めると一ヶ月弱かかるのですごく長く感じるけど、イギリスで主目的のために費やすのは実質2日、散策する余裕のありそうな日を込みにしても3日といったところ。

 まずはロンドンに到着したら真っ直ぐオックスフォードへ向かい、そこのホテルで隔離期間を過ごす予定。

 部屋からは出られないけど、サンディが眩いばかりの日々を過ごした街の景色を眺め、その空気を吸いながら過ごせるだけでもとってもわくわくする!

 最初に設定していた主目的はアルパインクラブの訪問だけど、他にも出来ることがありそうなので、その辺りは実際に予定通り出来たらまたまとめる形で。

 

 楽しみにしていることが沢山あるけど、アルパインクラブについては写真でしか見たことの無かったものを実際目の当たりに出来そうなのが本当にどきどきする…。

 サンディのアックスは写真こそよく見るけれど、本物を前にする機会は果たしてあるものか怪しく思っていたので想像するだけで緊張する。最後の日、少なくともファーストステップまでは持っていた品だ。三本刻みの入ったアックス、沢山の憶測を生んだ品、そんなものを前にすることに緊張しないはずがない。当時のアックスは今より随分長いし、手にしている人の写真も何枚か見たことがあるけど体格が分からないからちょっとスケールが分かりづらいので、それがはっきりするという意味でも楽しみ。

 日記も活字化されたものは読んでいたけど実際のノートがどんなものだったか知ったのは展覧のカタログが届いてからで…実際にあの旅に連れて行かれて、毎日書き綴られた品を前にしたら…どんな感情がわくのだろう、ちょっと想像がついていないかも。

 他にも沢山の写真や手紙、当時の装備などが展示されているので楽しみに向かうことにします。

 

 死者に会いに行くとか、死者を探しに行くとか、そのような言い方は己のしていることをそう評される分には嬉しさまであっても自分から称するのは憚られる。でもこの旅にかける思いは、多分そういった感覚なのだろうとも思う。

 うーん、終わった時どう振り返るんだろう その辺りも楽しみに旅立つこととします。