CampⅦ

1920s Mt.Everest Expedition

映像まとめ

 長くなるのでコンテンツは続きから。

 

 遠征当時の映像は、撮影班のジョン・ノエルによって記録映画The Epic of Everestとして作品化され、DVD・ブルーレイで見られる。が、ここには収録されていないカットも多くある。イギリスの歴史映像などをアーカイブしているBritish Pathéというサイトで見られるもの、こちらがYou Tubeに上げている動画などの覚え書きリスト。

 他、サンディのボートレース関係、当時の登攀ルートの3Dマップ、研究系で好きな動画など。随時加筆。

 

 

1924年 エヴェレスト遠征

当時の映像フィルム

 遠征当時の映像、基本的に遠征後ノエル主導で加えたと思しきもの以外の編集が入っていないもの。

 

 Mount Everest Expedition~シリーズの3本は素晴らしく見応えたっぷり。


Mount Everest Expedition Long Version Without Titles - 1 Of 3 (1924)

 2分20秒前後、椅子で肘をつきながらカメラとテーブルの間をきょろきょろしているサンディのいるカットがとても好き。彼を含む数人が被っているリボンを巻いたカンカン帽がまた可愛い。その後ろに立っている明るい色のスーツを着ているのがマロリー。テーブル奥に掛けていて、ちょくちょく出てくるお髭の印象的な御仁が初期隊長のブルース将軍。

 


Mount Everest Expedition Shorter Version - 2 Of 3 (1924)

 45秒あたりから、有名な集合写真の撮影後と思しき映像がある。このカットを初めて見たのは既に何度もあの写真を見た後だったので、ずっと静止画で見ていた光景が突然動き出したような衝撃を受けた。マロリーたちが動いている、確かに生きていて、その姿が残っているのだと。100年前は近い、とも思った。

 


Mount Everest Expedition Alternative Version - 3 Of 3 (1924)

 21秒あたりからのカットは、マロリーとサンディの遭難後にベースキャンプで撮影された集合写真を撮る直前のもの。先の写真・動画を見た後だとどうしようもなく心抉られる。

 

 こちらはまた別のフィルム。


THE EPIC OF EVEREST 1924 GEORGE MALLORY & ANDREW IRVINE DOCUMENTARY TIBET 90264

 1分からの6秒間ほどのカットは、最初の動画と同様に有名な集合写真の撮影前後。あちらにはサンディの姿はなかったが、こちらでは左端に映っていて楽しげな様子が伺える。

 


The ascent of Mount Everest, 1924 -- Film 4332

 ひとつ上の動画と似ているが違うフィルム。

 


Everest Expedition (1920-1929)

 1921~24年に行われた3回の遠征いずれかの映像らしいがどれか分からない。

 

編集入り映像

当時の映像に加えて、編集されたカットや現代の映像が入るもの。


1924 British Mount Everest Expedition

 当時の映像・ルート表示・ファイナルアタックに向けてキャンプⅣを出発するマロリーとサンディの有名な写真が残っている場面のオマージュ映像など。2人が協力して酸素を背負って歩き出すイメージすごくいいな~! と思うわけで…好きな動画です。

 

Cold Open | Everest's Greatest Mystery

 一応当時の映像を含むのでここにカテゴライズしたけど、私がこの動画について言いたいのは1分50秒からの"誰にも見つからないまま雪に埋もれ横たわるサンディ・アーヴィンの遺体"という光景の哀しさと、"彼本人よりもそのポケットの中にあるカメラが注目されている"ということを6秒間で視覚的にぶつけられることによる動揺だよ。散々ひりつきを自覚していた傷をたった6秒でここまで抉られるとはね! 別に嫌いなわけではなくて、このテーマに触れる人の中でもマジョリティな見方はそういうものなんだろうな~ということを短く綺麗な刃で教えられた気分の記念です。

 

資料・考察系

First On Everest - 3D Compilation - YouTube

 1924年の登攀ルート(推測含む)・キャンプ位置・推定酸素残量などを示した動画。情報の正しさは照合してないです…。特に酸素は彼らがどれくらいのペースで使ったか、何本持って行ったかなど謎の多い部分なので、あくまで雰囲気や参考程度に見ています。

 

遠征の外側

サンディとボートレース

  オックスフォードのボート部代表選手として活躍していたサンディはそちらの記録映像や写真も残っており、動く姿が結構残っている人。もしかするとマロリーより多いくらいかもしれないと思うけどどうだろう?

 ひとまず大学時代のものを探してまとめておくけど、シュルーズベリー時代のヘンリー・ロイヤル・レガッタなども残っているかもしれない。今後確認。

 

 まずは1922年。サンディは漕ぎ手の2番なので、船首から2番目で漕いでいる。(背中を向けているので後ろから2番目のように見える。)

 

Oxford crew at Bourne End (1922) - YouTube

 練習中と思しき選手たちの映像。遠目に見ると飛ぶように滑らかに進むボートだけど、この映像はかなりカメラを寄せて撮影しているのですごい迫力! ここまでカメラが近いと感じる映像は他に浮かばない。

 

Oxford's First Appearance (1922) - YouTube

  準備中の映像? らしい。練習中かな。10秒~あたりで桟橋の犬と撫でる選手が微笑ましい。1分~あたりではボートを皆で持ち上げているけど、彼らの力でもちょっとふらついている様でボートの重みを感じたり。

 

The Rival Blues (1922) - YouTube

 こちらもオックスフォードの練習中の映像。犬可愛いなあ。 

 

Cambridge and Oxford Varsity Boat Races (1922) - YouTube

 毎年テムズ川で開催されるオックスフォードvsケンブリッジの試合、1922年4月1日(土) 16時40分。ケンブリッジが19分27秒というタイムで4艇身半差で勝った。3分30秒~にぐったりしているオックスフォードのボートが映っている…。サンディは引っ繰り返っている仲間(恐らくS. Earlというモードリン・カレッジの学生)を慰めているように見える。

 

 続いて1923年の映像。この年はサンディが主将をつとめている。それと彼のポジションは3番となったので、この年は船首から数えて3番目で漕いでいる。

 

The Dark Blues (1923) - YouTube

 先の動画にも The Rival Blues というタイトルがついていたけど、これはオックスフォードのスクールカラーがネイビー、ケンブリッジが明るい青だから。17秒あたりからのカットでサンディもはっきり映っているし、細かい仕草から飾った感じではない印象を受けて好きな映像。そしてやっぱり犬と可愛がる部員が微笑ましい。そして冒頭のアメリカ人学生2人のカットも良い。左はW. P. Mellen、右は恐らくP. K. Kane?(要確認)

 

Cambridge and Oxford rowing teams train (1923) - YouTube

 オックスフォードとケンブリッジの練習風景。30秒過ぎからの構図とよく似ている練習中の写真が載った新聞記事? の切り抜き画像があるけど、この映像撮影と同じタイミングで撮られたのかもしれない。

 

Rowing Teams Carrying Boats (1920-1929) - YouTube

  いよいよテムズ川にてオックスフォードvsケンブリッジ戦開幕、1923年3月24日(土) 15時10分。オックスフォードが20分54秒というタイムで3/4艇身差で勝利した。この動画は両校の選手がボートやオールを担いでくるところ。最初の暗色のスカーフがオックスフォード、後の明色のスカーフがケンブリッジ。 サンディは10秒前後のカットでは手前列の最後尾。オールを担いでくるカットは、25秒あたりで入ってくる、やはり手前側最後の人物。彼はポケットに手を突っ込んでいる写真が多いように思うけど、ここでもオールを右肩に担いで左手はポケットにインしている。

 

Boat Race - Oxford V. Cambridge (1923) - YouTube

 ボートを担ぎながら入ってくるカットで、ちょっとカメラを見てにや~っと笑っているサンディにつられて笑ってしまう(15秒前後、手前列後ろから2番目)。ボートを運んではいるけど上とは違う場面のカット。ボートが岸を離れたらどっと押し寄せる観衆の熱気もまたいいなあと感じる映像。

 

Annual University boat race between Oxford and Cambridge (1923) - YouTube

 試合中~試合終了後。1分28秒~のカットで選手たちの上半身が物凄いのが分かりやすい。そりゃああんな重いものに成人男性が何人も乗って、あんな長いオールで一試合約20分を思いっきり漕ぐのだものなあ…。遠征中にずば抜けて力が強いのを評価されるのも納得の体格。バシバシ肩を叩かれながら歩いていくのが良い。

 マロリーも大学時代ボート部主将だったけど、写真を見ると別段バキバキな印象も無くすらっとした感じなのでちょっと不思議な気持ちになる。こちらはカレッジのチームなので今回載せているオックスブリッジの試合に出るものではないし、求められる筋肉量も違うだろうけど、それにしても。